外構工事をした後で、後悔したくないですよね。外構工事を失敗しないためにはどんな事に注意すればいいのかについてお話していきたいと思います。
新築時の外構やエクステリア工事をした後で、「不便だなあ」「ここは直したいなあ」と感じることは意外に多いようです。具体的にどういう点で不満が起きるのかをあらかじめ知っておけば、事前に対策を考えられて失敗を抑えることができることと思います。
住宅の新築と外構工事は人生の中でそう滅多に行うものではありません。何より高額な費用がかかりますし、簡単にやり直しはきかないため、事前の計画はとても重要です。
本記事では、外構工事でよくある「こんなはずではなかった…」という例を参考に、どのようにすれば後で後悔しなくてすむのかという内容もお話ししていきます。項目が多くなりますので、まずは駐車スペースに絞ってお話ししていきます。その他の例についても記事を作成中です。出来上がり次第掲載していきますので参考にしてください。
外構工事のよくある失敗例
外構工事でよくある「こんなはずではなかった…」という例は、よく耳にします。
たとえばこんなことがよくある話です。
- アプローチに滑りやすい素材がある。
- 雑草 手入れの手間が増える
- 図面で見るより狭い
- 洗車がしにくい
- 暗いエントランスは防犯面が不安
- ウッドデッキのメンテナンスを怠って木が腐る
- カーポートの排水経路が悪くて床が汚れる
- カーポートの柱が導線の邪魔になる
- ハウスメーカーに依頼して高くなった
- オープン外構は不安、クローズド外構にすれば良かった
- 安いフェンスにしたら、外から丸見えだった 屋外コンセントが使いたい場所になくて不便
駐車スペースに関するよくある失敗例
それでは、駐車スペースに絞ってお話ししていきます。
駐車スペースに関するよくある失敗例といえば次のようなことがあげられます。
- 図面で見るより狭い
- コンセントがなくて不便
- 洗車や庭の水やりがしにくい
- カーポートの排水経路が悪くて床が汚れる
- カーポートの柱が導線の邪魔になる
上記の5つの項目をひとつずつ考えてみましょう。
図面で見るより狭い
駐車場に多い失敗例のひとつは「図面で見るよりも実際に使ってみると狭く感じる」というものです。 国土交通省がまとめた駐車場設計・施工の指針には、駐車マス(車を置くスペース)について以下の基準があります。
設計対象車両 | 長さ(m) | 幅員(m) |
軽自動車 | 3.6 | 2.0 |
小型乗用車 | 5.0 | 2.3 |
普通乗用車 | 6.0 | 2.5 |
これを踏まえて、まずはマイカーの大きさを確認しておきましょう。
平均的な車両サイズ
軽自動車
小型車
中型車
大型車
ワンボックス車
マイカーの大きさを確認したところで、次は駐車スペースに必要な広さを確認してみましょう。
幅を決めるには、乗り降りできるスペースサイズを加えることが必用です。一般的には人が通るのに必要な幅は60cmとされていますので、運転席側は+60Cm以上は確保したいですね。
前回のブログ「カーポートを設置しよう!の参考になるお話し」で駐車スペースに必要な寸法図を示しました。再度掲載しておきますので確認してください。
また、一般的な駐車スペースより余裕を持った広さにしておきたい次のようなケースがありますので、そのような事も想定して計画してください。
- 前面道路幅が狭い
- 車のドアが大きい
- 両方のドアから出入りしたい
- 車椅子から乗車する
現状は問題がなくても将来的に車の買い替えなどで狭さを感じる可能性があります。可能であればスペースの余裕を確保しておきましょう。
また屋根付きのカーポートを設置する場合は、高さにも注意が必要です。
特にミニバンやSUVは、バックドアを開けたときにかなり高い位置までドアが跳ね上がる車もあります。
そのような車を所有している場合は、バックドアを上げてもぶつからない天井の高さはどれくらいなのか、設置しようとしているカーポートの屋根の高さは大丈夫か、あらかじめ調べておく必要があります。
コンセントがなくて不便
駐車場のみならず、屋外コンセントの設置場所は重要です。
駐車場では、高圧洗浄機を使ったり、掃除機を使ったりする時にコンセントが必用になりますので近くにコンセントがあれば助かりますね。
建物と駐車スペースが近い場合は建物の外壁に屋外コンセントがあれば、そのコンセントを利用出来ますので、新築時であれば、屋外コンセントの設置位置も考えておくとよいでしょう。
もし、近くに屋外コンセントがない場合は増設することを検討してください。コンセントの増設はDIYでは出来ません。電気工事士の免許を持っている人でなければ工事出来ませんのでご注意ください。
また、近年では電気自動車も普及してきていますので、これからは屋外で充電出来るように充電用のコンセントの設置を計画しておくことが必用かもしれません。その場合200V電源が必用になりますのでご注意ください。
コンセント以外にカーポートに照明も付けておくことをお勧めします。カーポートが明るければ、夜でも安心して車の出し入れができます。
車を降りてから玄関ドアまでのアプローチをライトアップするように足元付近に照明を取り付けておくと、さらに安全性が高まります。また、照明を付けておくことによって防犯にも役立ちます。昨今のニュースでも、自宅の車庫での車上荒らしの事件なども報道されているところです。人感センサーが付いた照明を取り付けておけば防犯対策になります。
画像提供:LIXIL
洗車がしにくい
使いたい位置に水栓がないと、長いホースをつけて取り廻すことが必要になります。
途中にある障害物のせいでホースをうまく伸ばせなかったり、散水しながら伸ばしていくと途中でホースがつぶれて水が止まってしまったりと、ストレスを感じる方が多いです。
ところで水栓には散水栓と立水栓の2種類ありますが、どちらの水栓がよいのでしょうか。
散水栓
画像提供:株式会社カクダイ
立水栓
画像提供:三協アルミ
散水栓は使わない時はホースを外して蓋を締めれば駐車時に邪魔になるということもなく、外観にも影響しません。
しかし、このメリットがデメリットとなる時があります。外で手を洗いたい時や草花に水をあげたい時に蓋を開けてホースをつながないといけません。
立水栓は、散水栓のメリットとデメリットがまったく逆になります。外で手を洗いたいときはすぐに洗えますし、草花に水をあげたり洗車する時にもストレスフリーです。
水栓は洗車やガーデニング、子供のプールなど幅広い使い道があります。水栓は屋外に1か所だけではなく2か所設置するのもよいと思いますので計画段階から考えておいてください。
カーポートの排水経路が悪くて床が汚れる
「屋根付きのカーポートを設置して乗入れするとき雨に濡れなくなったので満足したけど、雨が降った後、雨樋からの排水でコンクリートが汚れてしまって洗っても汚れが取れない。」などという事も結構あります。
雨樋からの雨水は汚れていますので、その排水経路を考えていないと年月経過とともに汚れが増していきます。最初は気になっていても「少しの汚れだから」とそのまま放置しておくと、後で汚れがひどくなってからブラシでこすっても汚れが取れなくなってしまいます。
そんな事にならない為のいくつかの対策がありますのでご紹介します。
- コンクリート床のスリットに浸透排水させて水跡が残らないようにする。
- 柱の根元に浸透桝を設置する。
- 近くに雨水桝を設置して雨樋から直接配管する。
カーポートの雨水排水のことは意外と考えていないことが多いです。雨が降った後どのように雨水が流れていくのかを想定して、あらかじめ排水の出先の対策をしておいたほうがよいでしょう。
カーポートの柱が邪魔になる
「カーポートを設置したいけど、柱が邪魔になるんだよなあ」という方結構いらっしゃいます。
実際、駐車スペースには柱がない方が開放感もあってよいのは確かなことです。でも、屋根を支える柱の設置は必要不可欠なのです。
しかし、車に直射日光があたるのを避けたり、雨の日の乗り入れを楽にしたり出来るので屋根付きのカーポートの設置を検討するには充分な価値があると思います。
柱2本の場合の柱の設置位置は、「左側」「右側」「後方」の3か所です。
駐車スペースと建物や隣地境界、及び道路との位置関係から考えるとわかりやすくなります。駐車する時の邪魔にならない位置に柱を設置するよう心掛けるとよいでしょう。
柱の位置が「後方」タイプはお勧めです。車庫入れが苦手な場合も左右に柱がないと車庫入れの時に安心です。
柱が後方にあるため、間口はすっきりします。扉の開閉もしやすく、乗り降りも楽にできることでしょう。
また建物や隣地境界に近い場所に駐車スペースがある場合も後方支持タイプがお勧めです。ただ、少し料金は割高になるケースが多いです。
画像提供:LIXIL
画像提供:三協アルミ
「屋根付きカーポートを設置したかったけど、水道管が埋まっているので設置できなかった」という方もいらっしゃいます。
新築時であればあらかじめ駐車スペースの場所も計画しておけばそのようなこともありませんので、家の設計段階から一緒に計画してください。
まとめ
駐車スペースに絞って「こんなはずではなかった…」というよくある失敗例を5つお話ししました。
最初にお話しした駐車スペースの広さについてはこんな事があるかもしれません。車を買い替えて大きな車にしたところ、敷地内に収まらず道路にはみ出して駐車することになってしまうというケースです。道路交通法に違反して罰せられる恐れもありますし、ご近所とのトラブルにもなりかねません。
どのケースでも事前の検討を充分にしていれば後悔しなくてすむような事柄です。
後悔しないためにも、時間を惜しまず、充分に検討していきましょう。
次回はその他の例についてお話していきたいと思います。