「エクステリア」と「外構」の違いって何?

玄関脇に屋根付きカーポートがある家
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エクステリアと外構の違い

「エクステリア」や「外構」といった言葉を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
外構の事を英語で言うとエクステリア(exteria)じゃないの?
そうですね。でも厳密には違うんです。この二つの言葉にどんな違いがあるのか? 少しお話させていただきます。

外構とは住宅の周りの構造物そのものを指します。例えば、門、アプローチ、フェンスやカーポートなどがあります。境界ブロック塀や側溝なども外構にあたります。一方、エクステリアとは、家の外に存在している建造物を含んだ空間全体のことです。
エクステリアと対照的に用いられている言葉がインテリアです。
インテリアというとテーブルやソファ、テレビ、カーテンなどいろいろなお部屋の空間のことだとわかりますよね。
エクステリアは門、アプローチ、フェンスやカーポートなど、家の外部を構成する構造物とガーデンテーブルやチェア、シンクなどの工作物を含んだ空間のことを意味します。
つまり「外構工事」とは、建物の外の空間に必要な構造物を設営したり、住まいとして使いやすくするため地面を整備したりする工事のことを指し、「エクステリア工事」は、ライフスタイルや家族構成などを踏まえ、使い勝手やデザインを意識した工事という言い方ができます。

エクステリアの考え方

「エクステリア」と「外構」の違いについてお話しましたが、エクステリアの考え方をインテリアに例えて考えてみましょう。
リビングのインテリアを考える際には、まずどんな風に使いたいのかを考えますよね。家族がくつろげるようにしたいなら大きなテレビや大きなソファが必要。子どもがリビングで勉強できるようにしたいならテーブルが必要になります。またリビングの広さ・形やドアの位置などで配置も変わってきます。
エクステリアも同様に車や自転車を何台とめたいのか?子どもが遊べるような場所が必要か?敷地の広さや形、動線、玄関などの位置を考えて外構を配置するように考えることが大切です。

エクステリアを構成する要素

それでは、エクステリアを構成する主な要素をまとめてみましょう。

(1)門扉・門柱

門扉脇に表札とポストが一体になった門

門扉の素材にはアルミ製や木製、アルミ+樹脂などがあります。腐食やさびに強いアルミ製が一般的です。開閉方法は両開き、片開き、スライド式があり、スライド式は前後のスペースを意識する必要はありませんが、横に引き込むスペースが必要になります。門柱には表札やポストを備えます。最近は宅配ポストを設置するケースが増えています。

(2)フェンス

木製のボーダーフェンス

フェンスは外部からの目隠しの役割を果たします。素材は門扉同様アルミや木製、アルミ+樹脂などのほか、植栽を巡らす生け垣やブロック塀などがあります。ブロックの上にアルミ製の柵などを組みあわせるケースも多くあります。外部から全く見えなくなるような塀は、防犯上好ましくありません。目隠ししながら日当たりや風通しを確保できる製品を選びましょう。

(3)アプローチ

タイルの床に手摺が付いた玄関アプローチ

アプローチとは門扉から玄関まで続く通路のこと。素材はコンクリートやインターロッキング、タイル、レンガなどが一般的です。住まいの印象を大きく左右しますが、デザインの美しさの他に、歩きやすさ、安全性、防犯性にも配慮が必要です。駐車場脇のスペースを兼ねる場合もあり、後述するカーポートや植栽・照明と合わせて検討すると良いでしょう。

(4)デッキ・テラス

心地よい広いウッドデッキ

デッキやテラスは、どちらも家のリビングと空間的につながった、外部リビングのようなものでイスやテーブルを置いて第2のリビングとして使用することが多いようです。デッキの床材は天然木の人気が高いのですが、メンテナンスを怠ると傷んだり変色してしまいます。最近は本物の木のような風合いで、メンテナンスが楽な人工木(樹脂製等)のデッキもあります。

(5)カーポート・ガレージ

1台用の屋根付きカーポート

カーポートは屋根と柱を設置した車庫のこと。ガレージは車を格納するための建造物を指します。車の台数や、道路への接し方、などを考えて製品を選ぶと良いでしょう。屋根があれば雨をしのいだり、直射日光除けにもなります。柱を立てると駐車の妨げになるという場合は、駐車スペースのみ確保するケースもあります。

(6)植栽

玄関の両脇に違う種類の植栽

庭やアプローチ沿いに植えられた樹木や草花のこと。観賞用や家のシンボルツリーとして大きな木を植えるケースもありますが、木は意外と簡単に大きくなりますので、植栽計画は慎重に行いましょう。地植えではなくても鉢植えにすると、大きさを抑えたり気分に合わせてレイアウトを変えたり出来ます。

(7)照明

門の前の植栽を下から照らす証明

玄関や門扉まわりのほか、シンボルツリーを照らす一灯があるだけでも、夜の家の印象がガラリと変わります。エクステリア照明は、暗い場所を照らしたり夜の印象を楽しんだりする他に、防犯上の効果もあります。不在時でも家の周りに灯りがあると不審者が寄り付きにくくなります。照明の設置を検討する価値は十分にあるでしょう。

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エクステリア工事は充分に検討しましょう

ここまで、
・「エクステリア」と「外構」の違い
・エクステリアの考え方
・エクステリアを構成する要素
についてお話ししてきました。

建物と同じく、外構は一度工事してしまうとあとから大きく修正することが難しいものです。何十年も永く暮らす家だけに後悔しないよう、失敗は避けたいものです。
外構工事が終わった後よくあるのが「カーポートが狭かった」「ブロック塀が汚くなった」「庭の砂利敷から雑草が生えてくる」などが挙げられます。
カーポートは、現状は問題がなくても将来的に車の買い替えなどで狭さを感じる可能性があります。可能であればサイズの余裕を確保しておきましょう。
ブロック塀はコンクリートブロックの他、色や柄がついている化粧ブロックがあります。その他にはタイルや塗り壁といった表面の仕上げ方法があります。掃除しやすい仕上げにしたり、建物に合わせて見た目や質感を変えたり出来ます。
砂利は雑草に勝てません。雑草を完全に抑えるには土がない施工方法(コンクリート敷など)を検討しましよう。
快適、快楽に過ごしていけるよう工事にあたっては十分に納得いくまで検討していきましょう。